決行前夜、山本氏は師匠に準備が整ったことを告げる。
生け捕りにしたネズミ十匹、油、鍋などを揃えた山本氏に師匠はこう告げる。
「本当にやる気なんだな。よし、一緒にやろう」
さてここからが本番である。
二人はねずてんの事を聞いた日高川上流に向かう、本当に狐や狸が人に化けるのか、それも現金を持って。いや、大アマゴを持って来るのか。
山本氏は夜になって「ねずてん」を揚げ始める、それを石の上に乗せる、この頃になると師匠も乗り気で上機嫌。
「まさかここまでやるとは思っても見なかった」と褒められたという。
酒に強い二人は酒盛りを始める。
しばらくすると、二人は変な酔いかたを始める。
けだるい酔いで大あくびの連発が始まる、酒に強いはずの二人が寝そうになる。
お互いに声を掛けながら寝ないようにするが、湧き上がる睡魔に勝てずに二人は寝てしまう。
朝の冷気で目を覚ますと「ねずてん」十個は一つ残らず無くなっていた。
話はここで終わっている。
実はオレもこの「ねずてん」を一度やってみたいのだ。
交換するモノは最新型のiMac、それも一番大きい27インチモニターを。
今使っているiMacはいい加減古くなったので、是非最新型のiMacが欲しい。
本当に連中はあのデッカイ、デスクトップのiMacを担いで持って来るのだろうか。
山本氏によると「ねずてん」を見てしまった狐は、なんとしてでも「ねずてん」を手に入れようとするのだそうだ。
それは猫にマタタビの比ではないらしい、それ程強烈なモノなのでどっかの民家に忍び込みiMacを担いでくるかもしれない。
盗まれた方はイイ迷惑だろうなー。
「オイ、分かるかiMac。iMacだぞ、27インチだぞ、一番デッカイ奴だ。持ってきたらオマケにねずてん一匹やる。さあ、持って来るんだ」とワメキき散らす。
これを一晩中やる、なんせiMacが掛かっているので怖いもヘッタクレモない。
と、一晩中やると明け方には。ドーンと目の前に最新型のiMacがある。
みたいなことにはならないだろうナーーーー。
でも、やってみたい、一度はやってみたい。
話はまだまだ続く。