【血は水よりも濃い】
角川春樹事務所の第一回作品、旗揚げ映画が「犬神家の一族」だ。
原作は横溝正史の小説は取り憑かれたように読んだ。
海外の推理小説と比べ、横溝正史の作品は日本独特の土台の上で構成されている。
横溝正史の作品を一言で言うならば「血は水よりも濃い」だと思う。
【宿命をテーマと言い替えると通りが良いかも】
一族という血で繋がった小グループには認めたくはないが、宿命があるような気がする。
宿命という言葉が嫌いなので、「テーマ」という言葉でもいいと思っている。
最小の単位が「個人」で少し広げると「家族」もしくは「一族」、もっと広げると「国」が持っているテーマがあるような気がする。
最近の韓国情勢を見ていると、「歴史は繰り返す」という言葉がピッタリ当てはまりゾッとする。
最初の「犬神家の一族」が公開され評論家に何だかんだと言われたらしいが、映画は空前の大ヒットを記録した。
映画「犬神家の一族」は二度作られたが、二回目の作品は正直拍子抜けしてしまった。
なぜならば内蔵された「テーマ」が感じられなかったからだ。
オレにとって最初の旗揚げ映画の「犬神家の一族」が最高だ。
この作品で干されていた市川崑監督は息を吹き返し、日本映画も息を吹き返したと思っている。
第一回作品は「八つ墓村」にして欲しかったと以前は思っていたが、今では「犬神家の一族」でよかったと思っている。
角川春樹氏はこの映画を作るにあたって、各方面から角川書店が潰れるぞといわれた。
角川春樹氏はホラ吹きみたいな印象を持たれる方もいるが、彼は言ったことは必ず実行する人だ。揺るぎない信念と常識と権威にとらわれない、戦術と戦略を持った人でもある。
「犬神家の一族」を映画化したことに感謝している。
横溝正史の作品を読んだのが漫画の「八つ墓村」で、双子姉妹の小梅、小竹婆さんが提灯持って並んで歩いている場面が強烈な印象で脳裏から離れなかった。
小説はもっと面白かった、横溝正史の作品は読み出したら止まらなくなり「横溝正史ワールド」にドップリと浸った。
オレにとって読書のきっかけが推理小説で、海外の作品もかなり読んだ。
けれども悲しいことに、ほとんど全部忘れてしまった。(笑)
しかし、横溝正史の作品は面白い是非、御一読を。
最初はそう、やっぱり「犬神家の一族」から読むのが良い。
怖くて夜寝られなくなっても、自己責任ということで。(笑)
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【犬神家の一族 kindie版 角川文庫】
一度読み出したら止められない面白さ。
怖くて面白くて時間を忘れる作品。
紙の本がなくて、kindle版しかない。
角川書店よ紙の本を出してくれ!!
【犬神家の一族・愛のバラード】
大野雄二の代表的作品。