【四季を現すような4枚の背景画】
渓流が禁漁になってスッカリ腑抜けになったオレは古くからの友人と、お隣の青森県立美術館に出かけた。
お目当てはマルク・シャガールの描いたバレエ「アレコ」の背景画の4点。
思っていたより巨大な背景画でビックリ。
展示場は思っていたより暗く、撮影OKだった。
撮ってみると白い壁がベージュ色になっていた。
撮影はフラッシュ、三脚使用は禁止なので手持ちで撮影、色彩の再現は美術館の壁が白なので、その壁の白を再現できるよう補正している。
【気に入った第3幕】
オレが気に入ったのは、第三幕の「ある夏の午後の麦畑」、太陽が二つなのかそれとも太陽と月なのかわからないけれど、たぶん二人の象徴なのだろうか?、それとも輝きをなくした日々なのか。
小舟は放浪する時間経過で、逆さの小枝は失意と絶望を意味するのだろか、明らかに小さく描かれた小枝だけが色調が違い、実りの麦畑と小舟の間に割って入っている。
行った時間帯が英語での解説だったけど、分かるわけもないしオレの見たいように見てきた。
四方の壁に掛けられた背景画は物理的にも圧倒的で、シャガールのオリジナルを初めて見た、見て良かった。
たぶん第1幕は春で、第2幕は夏、第3幕は秋、第4幕は冬と思ってみてきた。
【1942年の出来事】
この作品は1942年の制作で、世界は第二次世界大戦中で、日本海軍はミッドウェー海戦の正規空母同士の戦いで大負けした年で、ドイツはソビエト連邦の喉元スターリングラードまで攻め込み世界初の市街戦に突入したが、逆にソ連に包囲されてしまう。
この1942年を境にドイツ、日本は転がるように敗戦に向かっていく。
【参考資料 青森県立美術館コレクション展パンフレットから】
バレエ 「アレコ」の背景画 1942年 テンペラ・綿布
第1幕 月光のアレコとゼンフィラ 887.8×1472.5
第2幕 カーニヴァル 883.5×1452.0
第3幕 ある夏の午後の麦畑 914.4×1524.0
第4幕 サンクトペテルブルクの幻影 891.5×1472.5
【リンク先・青森県立美術館】