【体温上昇とデジャブ(^_^;)】
咳が止まらない、空気をうまく吸えない。
コリャ、ヤバい、1月4日に病院に行った。
体温を測ると38.6度、オレは急に体調が悪くなったような、錯覚に陥った感覚がした。
その日は咳止めの薬をもらい帰宅した。
幸いにコロナではなかった、A型のインフルエンザだった。
薬を大量に貰い、スーパーに寄って夕飯の準備をして行こうと思った。
38,6度もあるのに買い物なんかしている、熱に強いのか、我慢強いのかオレは買い物を続けた。
ここら辺りからオレはおかしくなっていたのかもしれない。
オレは何気なくスパゲッティで使う、ミートソースのパッケージを見てしまった。
オレは目が釘付けになった「オレはここを知っている」
パッケージには外国人で、ゆったりとたたずむ御婦人が見える、彼女は出来上がったスパゲッティを見せて、外国キッチンの前に立っていた。
オレは彼女から目を離せないでいた、オレは彼女を知っている!
オレは遠い昔、彼女と暮らしたことがある、オレが一番幸せだった頃、キッチンで彼女が作る夕食を一緒に食べた、それはそれは強烈なデジャブだった。
【迷走と狂気と驚喜】
きっとその時は体温が39度近くあったのかもしれない、オレはゆっくりと狂い始めていたのかもしれなかった。
キッチンに見えたのは、どっかのレストランかもしれない 、そんなことはドーでもよかった、とにかくオレは衝撃を受けた、そのキッチンにはオレとその御婦人とで夕飯を食べた、そしてその空間にはオレが望む全ての幸せがあった。
オレはそのパッケージを片手で見ていたけど、熱と咳のため年末~年始とロクなもん喰っていない。
手が震えだした、なもんでもう片方の手で支え、見ていると今度は足にきた、それでしゃがんで見た。
オレの姿は滑稽でさえあったと思う、しゃがみ込んで両手でミートソースのパッケージを見ている、一心不乱にだ。
自分が自分に対して驚いたことがある、周囲の目を一切、そう一切気にならなかった
でもオレは一向にというか周囲の目はコレッポッチも気にならなかった、ただただ彼女と彼女の後ろのキッチンが、オレの心臓を鷲掴みにし、そして引きずり出された。
オレの中で何かが狂い始めていた、インフルエンザの熱なのかオレの迷走は、まだ続く。