桜は意外にも国花ではない、日本には国花は存在しない。
けれども間違いなく日本を代表する花だ。
いつも思うけれど他の花と桜は明らかに違う力を持っている。
梶井基次郎は「桜の木の下には屍体が埋まっている」と表現したが、これほど上手い表現には出会ったことがない。
満開の桜の木の下にいると人は酔う、桜の力に多くの人は感性のどこかを触発される。
吉野山の千本桜のきっかけは、修験道の開祖である役行者、小角が始まりで彼は桜の力に何かを感じたのかもしれない。
以前にカメラ雑誌の特集で「桜の魔力」というタイトルがあったけど、ホントそうだと思う。
天空に浮かぶ月もそうだ。
文学、音楽、絵など芸術と月は切っても切れない関係がある。
多くの生物は月の運行に同調しているし、バイオタイド理論としてアーノルド・リーバーは「月の魔力」という本を書いた。
ヨーロッパでは「月を見すぎると気が狂う」みたいな伝説もある。
狼男の伝説はここから来ているのかもしれない。
5月になると渓流の水位も安定性し、渓流釣りのシーズンが始まる。
釣りをしていると離れた山肌に山桜が咲いているのを見ることがある。
深い緑の中にポツンと赤い山桜が咲いているのを見ると、何故かゾッとする。
うまくいえないけれど、ゾッとする吸引力がある、きっと異次元の入り口があるに違いない。
【桜吹雪】
桜吹雪は現実から異次元へ連れて行ってくれる。