【釣りに行けない日々】
何だかんだで、釣りに行けない。
気がつくと11月の半ば、モタモタしていると雪が降り出す。
で、今回は昔の話。
昔、サクラマスを釣ろうとロッドを買った。
どうせ釣るならデッカイのをとおもって、スミスのトラウティンスピンGS-90TR・9’を選んだ。
モンスター級もこなせるというロッドを持って、イソイソと出かけた。
けれども、釣り場ではロクナ目に遭わなかった。
対岸からゴミが流れてくる、ナニやらオレに向かって流れてくるのだ。
不自然な流れ方だったけど川に立ち込んで居るため、目線が低くてナンのゴミか気に掛けなかった。
そのゴミがオレの側まで来て、正体が分かった。
蛇だった、それもデカイというか長い。
その時、そいつと目線が合ってしまった、双方動けなくなってしまった。
オレは注射と蛇は嫌いなのだ、大っ嫌いだ。
そいつはクネクネしたまま動きを止めてしまった、けれども沈まない。
オレは内心来るなよ、絶対来るなよと、真剣に祈った。
オレと距離が空くと、再び泳ぎだした。
【不吉な物】
よく晴れた日、イソイソとサクラマスを釣るため出かけた。
その時は対岸に向けキャスト、リールを巻かずに大きくUの字を描くようにミノーで釣っていた。
ミノーが下流に流れているとき、ガツンとアタリがあった。
「ヤッター、遂に掛けた」オレは嬉しかった、変な表現だけど「微妙」に引いた。
オレは急いでリールを巻いた、魚が寄ってきたがまたも立ち込みで目線が低い。
ナニやら魚の背中に見たことのない、模様が入っている。
とにかく寄せてきた・・・、そしてビックリしてしまった。
魚じゃなかった。
お墓に立てている物で板に戒名などを書いた、卒塔婆だった。
よりによって、とんでもない物を掛けてしまった。
オマケにガッチリとフックが刺さっている。
ハッキリ言って、不吉でオレは卒塔婆に触りたくなかった、でもフックは外さなくてはならない。
「触りたくない」と心の中で呟いたその時、オレの考えを読んだかのように、深く刺さったフックが触りもしないのに外れた、自然と外れた。
オレは茫然と流れてゆく卒塔婆を見送った。
後いろいろあって、サクラマス釣りとは自然と遠のいた。
【ダイワ・ショアラインシャイナーの出会い】
結局ただの一匹もサクラマスを掛けずに、スミスのGS-90TRは長い間眠っていた。
けれども、サクラマスのモンスター級も釣り上げるこのロッドは海で大活躍した。
ガチガチでしなやかさとは縁遠いこのロッドは、軽量なミノーでは飛距離が出なかった。
なもんでしかたなくダイワから出ていた、ショアラインシャイナーの一番デカくて重いミノーを使った。
不確かだけど、R55で14㎝、31gだったと思う、シルエットが大きくボリューム感があった。
他の人がスリムなミノーを投げていた中で、オレのR55は場違いを思わすほどデカかった。(笑)
【無人のサーフだった時代】
皆がシーバス釣りで河口周辺に集中していた時期で、サーフはほぼ無人で荒野の無人状態だった。
誰一人居ないサーフで、オレはR55で釣りまくったスズキ、ヒラメ、オマケにこのトラウト用ロッドでエイも釣った。
お気に入りのサーフは今では、最新の装備で身を固めた釣り人で満員御礼状態で、オレは隅に追いやられてしまった。
自由自在にキャストしたいオレは新規開拓を迫られる身になった。