By The Sea

初めての渓流釣りの人へ、街の喧騒を離れ出かけよう

釣具と零式艦上戦闘機

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老人と拳銃、国が違えば文化も違う

日本国内では竿のメーカーはいろいろあるが、竿を作れるメーカーは数社しかない。

個人で竿を作るロッドビルダーを入れるとかなりのメーカーがあると思う。

物を作るには最初に設計思想がある、設計思想無しには物が作れない。

特に日本人には物にこだわる傾向があるような気がする。

 

釣具の中でもロッドとリールには銃器などの武具を連想させる”何か”があるような気がする。

竿のルーツは弓の説もあり、そうなのかもしれない。

 

物作りの極端な例として航空機、中でも戦闘機と日本人について思うところがある。

最初の頃は航空機を造る際、海外の航空機を買ってきたり外国人のエンジニアを呼んだりしていたが、そのうち日本人の設計思想で日本人の手によって航空機を造れるようになる。

 

そうして生まれたのが零式艦上戦闘機、通称ゼロ戦だ。

その頃、日本の航空機の特徴としてエンジンパワーが外国と比べ低く、その差を埋めるため機体設計に血道を上げた。

零式艦上戦闘機零戦は本当に重箱の隅を突っつくように造られ、生産性の悪さは世界一であったような気がする。

 

例えば零戦で採用されたリベットである枕頭鋲は、外板より外に出ないようにして、とにかく空気抵抗を少しでも減らそうとしたパーツだ。

零戦とやり合ったF4Fワイルドキャットや、F6Fヘルキャットはエンジンパワーがあり設計自体に余裕があり、リベットの丸い頭は外板から出ていて少しくらいの空気抵抗をモノともせずにブッ飛んでいった。

 

三菱が造った日本最速の双発戦戦闘機「キ83」などは外板同士の段差を嫌い、パテ埋めまでして空気抵抗を減らしている。

 

日本の竿も商業ベースでありながら、モウあの手この手、奥の手で造られ、オマケに美しくなければならない、カッコ悪いではダメなのだ。

さらに、個人のロッドビルダーが造った美しくなくとも、それが独断と偏見に満ち満ちた設計思想で造られたロッドなら、一度は使ってみたいと思う人は結構いるような気がする

 

リールも同じで、ルアーフィッシングが流行り始めた頃はロクなリールしか無かったけれど、一旦ルアーフィッシングに流れが傾くと改良に次ぐ改良で「今年はココマデやりました」とメーカーはイバルのだ。

使う方も使う方で、「メーカーのうたい文句なんかに踊らせられないぜ」と思いつつも、このロッドとリールを使っているとイバルのだ。(これは嫉妬も含めての個人的見解)

 

でも日本人の釣り師たちは幸せだと思う、商業ベースであれ個人ベースであれ、多様性な選べる釣具が日本にはあるし、徹底的に造る日本人が居るから。