By The Sea

初めての渓流釣りの人へ、街の喧騒を離れ出かけよう

「創造はいつも異端者の仕事である」梅原猛

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「創造はいつも異端者の仕事である」この言葉が好きだ

1月12日に梅原猛氏が亡くなった。

独自の視点、特に歴史から忘れ去られた立場に立ち、日本文化を語る彼を尊敬していた。

哲学者でありながら歴史、スーパー歌舞伎の脚本などを手がけ、その活動は広かった。

梅原氏の言葉で「創造はいつも異端者の仕事である」が大好きだ。

 

時代の流れは変わった、驚くことに日本の神道を研究する若い外国人も出てきた。

梅原氏は日本の学者の視野の狭さを嘆いている。

「日本とは何なのか」(NHKブックス)の中で、こう述べている。

 

「真の独創的な学説というものは、学閥あるいは学閥集団がよってたつ前提そのものに強い懐疑を投げかけ、全く違った前提の上に学問を再構築しようとするものであるからである。特に人文学界においては、このような学者は皆無に近いのである。」

 

梅原氏はこうも言っている日本人や日本の学者を、

「孤独になれず、自ら決断もできず、自ら責任を取らない」

 

梅原氏は文学の才能も持ち合わせている。

彼がいうには日本の詩人は東北から多く出ていて、宮沢賢治を高く評価しているのは正直嬉しい。

遠野物語の中に、飼っていた馬と娘が恋仲になり怒った父親は、馬を木に吊して殺してしまう。

嘆き悲しむ娘は馬の首にすがりつく、そこで父親は斧で馬の首を切り落としてしまう。

するとたちまちのうち、娘は馬の首に乗ったまま昇天してしまう。

この民話を梅原氏は絶賛する、「日本深層」(集英社文庫)の中で彼は、

まったく素晴らしい、その二行に匹敵する緊張感をもった日本語の文章を探すことは、むずかしいと私は思う」

この話をあまりに文学的と評価している。

 

彼の著書は今読んでも斬新だ。

今世界は日本に注目していると思う、これからの日本の進むべき方向を決定できるのは、いいかげん歳食った大人ではなく、柔らかな脳味噌と瑞々しい感性を持った若い人達である。

ガンバレ若者、オレは釣りに行く。