By The Sea

初めての渓流釣りの人へ、街の喧騒を離れ出かけよう

野生との出会い 熊とニホンカモシカ

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令和元年5月、ニホンカモシカがオレを見ていた、まだ若いみたいだ

渓流で出会いたくない動物の筆頭が、熊さん。

パワー、スピード、ウエイトでまず勝ち目は無い。

一度、車の前を走って横切るツキノワグマを見たことがある、それも国道で。

何より驚いたのが、しなやかな走り、ドタバタした走りでは無くゴムを連想させる動きだった。

あと、色だ、真っ黒はビックリするほど目立った。

 

釣りで一度だけ熊に出会ったことがある。

少し離れた岩の上に黒い動くモノがあった、最初はカラスだと思ってた。

そしたらオレに近寄って来るではないか。

ヨクヨク見たら、な、な、ナント小熊だ!!!!!

って、ことは母熊が近くにいる、オレは監視されている。

 

そう思った瞬間、動けなくなった。

話には聞いていたが、動けない、自分で自分の身体を制御できないのだ。

オレはユックリ時間を掛けて方向転換をした。

走ること自体ができない、カクカクした動きでとにかく歩いた。

 

どれくらい歩いたか、距離をとったか記憶にない。

覚えているのは一度も振り返らなかった事だけ。

 

ニホンカモシカにも出会った。

カモシカは渓流で休んでいたのだと思う。

オレもカモシカもお互いに接近に気づかなかった。

目の前にデッカイ岩がある、そう思っていた。

 

オレはその岩に手を掛け、避けようと手を伸ばした瞬間だった。

デッカイ岩が動いた、岩が立った。

ナント岩だと思っていたが、ニホンカモシカだった。

オレもカモシカも双方、お互いに、二人とも盛大にビックリした。

 

それからのカモシカの行動は驚くべきスピードだった。

あの巨体が軽々とジャンプしながら走る姿は、まるで背中に羽があるような気さえした。

というよりも、体重を感じさせないジャンプだった。

 

斜面を掛け上がる姿は野生動物だけが持つ、パワー、スピード、そして美しさだった。

カッコイイではない、野生の美しさだった。

 

オレは呆気にとられながらカモシカを見ていた。