渓流釣りで一度だけ迷ったことがある。
渓流釣りは川通しで歩くため、迷うことは考えにくいけれども渓流から離れると話は別だ。
渓流釣りを始めて三年くらいの時だった。
それほど大きくない滝の上に行きたくって、林の中に入った。
林の中はとても歩きやすくなっていて、愛犬と共にスイスイ上っていけた。
滝の音を聞き、その音を基準に滝の上を目指した。
【何も考えず歩いてしまった】
歩きやすい場所を選んで歩いていると、滝の音が小さくなっていたのを突然知った。
とにかく歩くのを止め、今来た方向を振り返って見た。
林の中はどこを見ても、ほとんど同じ景色で特徴がない。
その瞬間、道に迷ったと思った、こんなにも簡単に迷ったことが信じられなかった。
【愛犬に助けられた】
冷静になることが必要だった。
滝の音が小さいけれど聞こえる、それを目指して行けばとにかく沢に出られる。
しかし、不安が払拭できない、そこで愛犬に声を掛けた。
「帰るぞ!」と大きな声を出した。
愛犬はすぐに理解し、俺の前を歩き出した。
オレはすぐさま愛犬の後を追った。
すると、すると、実に簡単にそれも呆気なく林に入った場所に着いた。
山で愛犬と一緒にいるのは心強いと思った。
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【リンク先・ジェノサイド】
愛犬と一緒で心強かった話し、一人じゃないって思えることは特に人のいない山中では時に絶大な効果がある。
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【迷う人の心理】
人間身勝手なもので、さっきまでの絶望感がどうしても理解できなくなっていた。
迷うようなことをしない、と心がけていたのに。
山菜採りで迷う人のことがチョッピリ理解できた。
友人から聞いた話では、山菜採りが山で迷ったとき、最後の最後まで山菜の入ったリュックを担ぐそうである。
もうダメだと思ったら、はじめて山菜の入ったリュックを放棄するらしい。
捜索隊の人達は遭難者のリュックを発見すると、その周囲を重点的に捜索すると聞いている。
【山で迷ったら】
山に詳しい人に教えられた、山で迷ったら高いところ、山頂や峰へ行けと教えられた。
周囲を見渡せるし、そんなところは道があるのだそうだ。
沢を下って降りてはいけないともいわれた、必ず下れない場所がいくつもあるといわれた。
沢下りで平らになった場所には滝があるともいわれた。
最近はもう無茶な釣りはしなくなった、理由は簡単明瞭、足が上がらなくなってきた。
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【映画 Follow Me のテーマ曲・Follow,Follow】
映画は見ていないけど、このテーマ曲はジョン・バリーの最高傑作だと思う。