By The Sea

初めての渓流釣りの人へ、街の喧騒を離れ出かけよう

「死霊狩り」ゾンビーハンター 平井和正著 〝機械は悩まない〟

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オレの宝物

平井和正氏が言っていたことだが、今は小説の才能を持っている人がマンガ界に行ってしまった、みたいなことを言っている。

個人的に平井和正氏は情念を書く作家だと思っている、だからこそ登場人物は自分の心の叫びが読む者の心を鷲づかみにする。

 

そして、マンガもまた情念を抜きにしては成立しないし、情念のないマンガは読む気もしない。

漫画家はキャラクターを第一に考える、A男とB男は当たり前だけど違う、当然しゃべり方も違うし好みも違う。

例えば今人気の「進撃の巨人」から情念を取っ払うと、見るも無惨な物語になる。

 

オレは小説を読まなくなったし書店にも行かなくなった、読んでツマラナイのもあるがA男とB男が何で同じ喋り方をするのだ、オマケにキャラクターなんてあってもなくても関係ないみたいな小説なんか読みたいとも思わない。

小説を読む人が少なくなったのか、小説を書ける人が少なくなったのか、多分その両方かもしれない。

 

 

「死霊狩り」(ゾンビーハンター)は今読んでも面白い、面白すぎる。

主人公の田村俊夫が生きる世界は狂気と人間不信の真っ只中だ。

主人公の心の叫びを平井和正氏は、これでもか、これでもかと書き連ねる。

人が持って生まれた心の闇を見ることは、流血と冷血を直視する事でもある。

主人公、田村俊夫が苦悩を捨て去り、感情を捨てることによって彼は殺人マシンへと変貌する。

けれども、どんなに心が摩耗しても最後心の輝きは決して無くならない。

これは「死霊狩り」(ゾンビーハンター)のメインテーマだ。

 

こんなに魅力的な作品を読者や脚本家が放って置くはずが無い。

今でもアニメ化や映画化を熱望する人が多い。

しかし、平井和正氏は一切の映像化を認めなかった。

情念は映像化しにくいし、平井和正氏は情念を書くのに手を抜かなかった作家だ。

 

オレは映像化よりもとりあえず、英訳してもらいたい。

この作品「死霊狩り」(ゾンビーハンター)は世界に熱狂的ファンを生み出す揺るぎない信念と情念を持った作品であると思っている。

日本国内よりも海外で高い評価を受ける作家だと思う。

英訳するには骨の折れる仕事だと思うが・・・・。

 

地球外生命体が人体を乗っ取り、オマケに死なないみたいな設定はたぶん平井和正が最初だと思う。

これ以降いろいろな業界で、ゾンビや地球外生命体みたいな作品が続々と出てくるようになった。

蘇れ小説!

〟〟〟〟〟〟〟〟〟〟〟〟〟〟〟〟〟〟〟〟〟〟〟〟〟〟〟〟〟〟〟〟〟〟〟〟〟〟〟

 

Amazon Kindle版 「死霊狩り」ゾンビーハンター】

 電子書籍になるけど。

電子書籍はまだ一般的ではないけど、転換期を迎えた物はいったん弾みが付くとあっという間に市場を塗り替える。

平井和正氏は出版界に見切りを付け、初めて電子書籍で作品を発表した作家でもある。